本庄市の成年後見制度を危惧して(平成29年1月18日回答)

更新日:2020年10月01日

意見・提言

本庄市の成年後見制度に関する施策はどうなっているのでしょうか?

成年後見についての首長(市長)申立は、実際誰が行っているのでしょうか?

実際、後見人の人選をどうするのかを、行っているのは担当所管課です。この点を考えると、後見人を人選する担当者は、相当の成年後見制度に対しての熟知度を有し、福祉関連法令などの専門性に長けており、また、本市の福祉に関する社会資産の状況などを熟知している職制の方でなければなりません。

 何しろ後見人を必要とされる方々の今後の人生や、ケガや病気の発生や最後は、終焉の時をも想定して職務に従事せねばならないものです。

 そこで、改めてお尋ねいたしますが、市長申立を行っている担当課の職員は成年後見人の研修をはじめ、成年後見人制度の習熟度はどの程度なのでしょうか?

 また、本庄市の市民後見事業推進についてどの程度関与していますか?

 市民後見人の活躍は、市長申立の担当者が市民後見人を家庭裁判所に推薦しないかぎり受任の実現が困難なことは、周知のとおりです。このことから、市長申立の担当者の非後見人の方に対する「人としての尊厳を護る」という篤き心(使命感と情熱)の持ち合わせが必須であると思います。今までの私自身の経験や市民後見を実施しているNPOの関係者の方々の情報等を総合的に考察いたしますと、市長申立の担当者が市民後見育成事業に継続可能な事業展望を持って公務をしているとは、言い難い状況(担当所管の譲り合い若しくは…)です。

 また、昨年度の成年後見養成講座を受講した方のお話だと、市長申立を行っている担当部署が養成講座に講師として出席していないと聞き及んでおります。市長申立の担当部署は後見制度に精通して公務を行っていることは、当然のことです。市民後見推進のためにも後見を必要とされる方々の法的状況などを説明して、貢献活動に志を有する受講生のためにも講師として参加していただきたいものです。

 また、本庄市は権利擁護の一つの手段として成年後見制度をホームページ上でも掲げております。成年後見制度は、「本人の意志の尊重」「ノーマライゼーション」の制度理念にそって、被後見人の「個人としての尊厳」を護っていくための制度であることはこの法の精神からしても明らかです。被後見人の方々は、基本的に申立を実施してくれる方がいないのが現状です、その為に市長申立が必要な方々です。その点では孤独でハンデを抱える方達ばかりです。市行政から見放されれば確実に窮地に陥ることは明白です。このような方々が、今後益々増加することが予想されておるなかで、本庄市の今後について大変危惧を感じております。

 成年後見業務の市長申立を実施している担当所管に対して「釈迦に説法」で誠に恐縮に存じますが、敢えてお尋ねいたします。それからまた、最後の質問として見人に後見業務を託したのち市では被後見人に対して後見及び福祉の切り口でどのようなケアをしているのでしょうか?

 そこで、いくつかお尋ねいたします。

担当職員に関して

  1. 昨年実施した市民後見講座に市長申立を行っている職員は、講師としてどの程度関与してきたでしょうか?
  2. 成年後見制度の市長申立を実施している担当職員に成年後見制度についてどの程度の研修を受けさせているのでしょうか?
  3. 社会福祉協議会で実施している後見相談事業について市長申立を行っている市の職員はどの程度関わっているのでしょうか?

後見案件に対する対応に関して

  1. 誰をどのように後見人として選任推薦するのでしょうか?
  2. どのように後見活動を行うのでしょうか?
  3. 対象者の体調の推移にどう対応してゆくのでしょうか?
  4. 終焉の時はどうするのでしょうか?
  5. 後見人活動軽減対応や経済的困窮者に対する対応はどのようなでしょうか?

 また、『成年後見センター』に関しては、目下、残念ながら昨今の状況下では、社会福祉協議会、シルバー人材センターは、やはり専念後見事業の本庄市域の主導的な実施主体とは成り得ないのは明白です。少なくとも、強い思想と財政的裏付けや公権力を有する本庄市行政機関が中心となり、事務局を設置形成すべきと考えます。 市役所内部組織としては、対象者が多いと考えられる高齢者福祉課、或いは障害者福祉課か、生活困窮者担当課、いずれにしても主管課の内部の譲り合いなど、市民からすれば、大いに迷惑です。問題解決への道筋につく担当窓口が必須です。この窓口担当所管にフットワークの良い専門家集団を組み込めば組織形成は容易に可能です。相談者に対する終活時点をも考慮に入れた相談と対応を、それぞれの得意分野の人達に組織化し目に見える形で対していただきたく存じます。

 改めて、伺いますが、「権利擁護事業を推進するために、事業の中核となる『成年後見センター』の開設」の有無についてお答えいただきたい。

回答

 本市の成年後見事業につきまして、多岐にわたるご質問等を頂いているところ、質問の項目ごとにお答えいたします。

1.担当職員について

  1. 市長申立の担当職員は、市民後見人養成講座において適時、講師を務めており、直近では、昨年9月に実施されたフォローアップ講座に登壇いたしました。
  2. また、担当職員に対しては、埼玉県が実施する成年後見制度研修を年に1回受講させる等、資質向上に努めております。
  3. さらに、担当職員と本庄市社会福祉協議会との関係ですが、成年後見を必要とするような方の情報に接した際には、例えば、社会福祉協議会が法人後見を受ける場合は、本市の担当職員と社会福祉協議会とが揃って往訪し、状況の確認、今後の対応の相談を行う等、常に緊密な連携を図り対応を進めているところです。

2.後見案件に対する対応について

  1. 市長申立後の選任推薦については、主たる背景が身上監護か、財産管理課により、被後見人の方の置かれた状況に応じて、社会福祉士、司法書士や弁護士、本庄市社会福祉協議会等から、最も適切と思われる者を選任推薦しております。なお、必要な際には、複数の後見人を立てることもございます。
  2. また、後見人の選任後は、申し立てまでの経緯等の必要事項を説明し、関係機関との顔合わせや連絡調整を行う等、市から後見人への円滑な引き継ぎを行っております。
  3. その後は、後見人より、被後見人への定期的な訪問、医療・介護の関係機関との連携等を通じて、本人の体調の把握がなされるとともに、被後見人の終焉にあたっても、後見人が、親族等関係者に意向を確認しながら以後の事務を進めて頂いております。なお、親族等がいない場合は、生前に被後見人の意向を確認し、事務を行っていきます。
  4. また、後見人活動の支援として、適宜相談に応じつつ、被後見人が必要とするサービスを提供しております。経済的困窮者に対する支援については、関係部局との連携を図りながら、どのような手助けが必要かを洗い出し、その対処を図っております。

3.「成年後見センター」について

 「成年後見センター」については、本庄市地域福祉計画、高齢者保健福祉計画及び介護保険計画等で既に掲げている通り、その設立に向け検討を行っているところですが、その設置並びに運営に際しては、家庭裁判所、弁護士会や司法書士会(リーガルサポート)、社会福祉士会、社会福祉協議会、成年後見制度を支えるNPO法人等との連携並びに協議調整が不可欠であるところ、現在、関係機関との協議調整を進めているところですので、ご理解賜りたく存じます。

 なお、現状においては、市役所の各担当課が、前述のとおり後見案件に係る各種対応を行っているところですが、これは、成年後見を必要とするような方の情報が最も迅速に寄せられるのは各担当課であり、各担当課がこれら情報及びすでに把握しているさまざまな経緯、背景等を踏まえて対応することが円滑な後見制度の運用にとって適切であることによります。いやしくも、各担当課間での縦割り、譲り合い等が生じるような状況は避けるべきであり、また、決して無いように私からも指示をしているところですので、併せてご理解賜りたく存じます。

(平成29年1月18日回答)

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