台湾について思うこと

更新日:2025年02月28日

2月13 日、台湾の台南市と友好交流協定を結びました。この広報(4~7ページ)でもお伝えしているように、両市の間には何人ものキーパーソンがいて交流を積み重ね、今回の協定締結に至った次第です。多くの皆様のご縁とお力添えに感謝します。
今から5年前、コロナ禍により世界中でマスクや消毒液が不足した際、社会のデジタル化が進んだ台湾では、国民へのマスクの配布がスムーズに行われ、大きな混乱が起きませんでした。また、配給されたピンクのマスクを男の子が嫌がると、政府の閣僚が皆でピンクのマスクをしてテレビ出演するなど、ユーモアあふれる対応も話題になりました。
当時、台南市の皆さんから日本で不足している手指消毒液を本庄市に送りたい、という申し出があり、受入準備を整えるも困難が判明し、断念した経緯があります。そのときの温かな心遣いは、今も忘れません。
私が台湾について感心するのは、約2,300 万人の人びとがさまざまな苦難を乗り越え新たな国づくりを進めている点です。
現状、国際社会の中で台湾を「国家」として承認している国はわずかです。元々の原因は、1949 年の中国内戦(国共内戦)に敗れて台湾に逃れた中華民国政権が、その後、1971 年に中華人民共和国の国連加盟に抗議して国連を脱退したことにあります。
当時の台湾は独裁政権下にありました。しかしその後、志ある人びとの身を挺した民主化運動と、李登輝氏などリーダーの手腕により、台湾は今や言論・思想の自由が保障され、公正な選挙による民主社会となりました。米軍の駐留に頼らず(頼れず)、独自の軍隊が台湾及び周辺の島を守る、事実上の独立国です。
ご存じのとおり中国は、台湾を独立した存在とは絶対に認めません。台湾も独立を保ちつつ、いたずらに中国を刺激しない現状維持を政治の選択としています。
このような厳しい国際環境に置かれながら、台湾は社会のデジタル化や公正な移民政策による少子化社会への対応、さらには徹底した環境政策や多様な人権尊重など、人類社会の新たなチャレンジともいうべき政策に試行錯誤しながら取り組んでいます。そして親切な人が多い、温かい社会です。
かつて日本領だった台湾。その台湾から今の日本が教えられることは非常に多く、共に学ぶべき友人…私はそう感じています。

この記事に関するお問い合わせ先

企画財政部秘書課秘書係
〒367-8501
埼玉県本庄市本庄3丁目5番3号
電話:0495-25-1154
ファックス:0495-21-8499
メールでのお問い合わせはこちら