橋がつなぐもの(令和8年10月1日号)

更新日:2026年10月01日

広報ID : 22692

利根川は、昔から本庄に豊かな恵みをもたらしてきた一方、埼玉と群馬を分ける県境でもあります。しかし私には「隔てる川」というより、坂東大橋によって人と人、地域と地域を「つなぐ」川という印象があります。
私が市議会議員だった平成の半ば頃、本庄市議会と伊勢崎市議会は、お互いの花火大会を訪れるなど交流を続けていました。その折「いつか利根川で両市が一緒に花火大会を開けたらいいね」と語り合ったことを、今でも覚えています。当時は夢物語のようにも思えました。
その頃の阪東大橋(当時はこの漢字でした)は慢性的な渋滞に悩まされ、橋を渡るだけでも大変な時間がかかりました。何とかしたいという地元の思いを受け、当時は県道だった本庄と伊勢崎を結ぶ道路をまず国道に昇格させ、その上で新しい四車線橋を整備しようという知恵を、先人の誰かが出したのです。そしてその構想の実現に向け、粘り強く運動した両市や沿線自治体の首長、議員の先輩方がおられました。さまざまな困難があったなか、やがてそのうねりは埼玉県、群馬県、国を動かし、平成5 年の国道462 号線誕生、平成7 年の新坂東大橋の建設着工、16 年の竣工へと結実したのです。直面する政治課題に知恵を出し、地域が力を合わせて声を上げれば、大きな仕事も実現できることを教えてくれた先人に、心から敬意を表するものです。
新坂東大橋と共に完成した本庄早稲田駅の建設においても「本庄にばかり負担をかけて申し訳ない」と、個人で寄附を寄せてくださった伊勢崎市議がおられました。県境を越え地域を良くしようとのお志、私は忘れません。
今も橋を渡り、本庄市民が伊勢崎へ、伊勢崎市民が本庄へと、大勢の人々が行き来しています。来る10 月10日、長年語られてきた夢の一つであった、伊勢崎市との合同の花火大会が実現します。花火は一夜限りですが、人と人、地域と地域とのつながりは、その先も続いていきます。
この花火大会が、この地域のこれまでのご縁を一層強固にし、さらに未来へ向かって共にはばたく大きな一歩となることを心から願っております。

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