-世界最古の自転車機能- 門弥(もんや) の「陸船車(りくせんしゃ)」を知っていますか(平成20年4月1日号)

更新日:2020年10月01日

舟に車輪が付いている陸舟車に着物を着た人が乗っている写真

滋賀県彦根市立図書館にある『平石家文書』に、「武州北堀村(今の本庄市北堀)の門弥なる人物が、一時に七里を走り(時速約14キロメートル)、坂も登れる「陸船車」なる乗り物を作り、近々将軍がご覧になる。」という享保14(1729)年の記録が残っています。
もともとこの古文書は、当主の平石久平次(彦根藩士)が、門弥の陸船車を研究改良し、新たな陸船車を製作したことを図面とともに記したものです。
久平次の陸船車は船に車輪がついた形をしており、この古文書が発見された大正時代から現在まで、「ヨーロッパよりもはるか以前に発明された自転車、あるいは自動車」として、たびたび新聞などでも取り上げられてきました。
門弥の陸船車は久平次に影響を与えたという意味で、「世界最古の自転車あるいは自動車」と言えるはずなのですが、史料も少なくその構造について学術的な研究が進んでいなかったことから、これまで世にクロースアップされませんでした。門弥とは北堀村本田の組頭を代々務めた実在の人物、庄田門弥であることは確かであり、近年本庄の歴史研究者を中心に、陸船車についてもっと光を当てようという声も高まっていました。
このたび歴史民俗資料館の増田館長が、多くの研究者の協力を得て門弥の陸船車の構造を研究し、久平次の陸船車はあくまで「世界最古のクランクペダル式を採用した自転車機能」であり、門弥の陸船車こそが「世界最古の自転車機能」である、と結論づける学術論文を発表しました。この論文が世に出ることの意味は非常に大きいと思います。
それにしても本庄には大変な発明家がいたものです。なお、資料館ではこれから先、有志の市民と陸船車の実物大復元品の製作や実験を予定しており、今後の展開が楽しみです。

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