古代のハイテク工場群? 発見される(平成25年6月1日号)

更新日:2020年10月01日

出土したガラス小玉鋳型の写真

本庄東中学校の建て替えに伴い、平成24年7月から今年 3月まで、新しく校舎が建てられる予定場所の文化財発掘調査が行われました。その結果、古代の遺跡から出土した遺物の中に大きな発見がありました。
薬師堂東(やくしどうひがし)遺跡と命名されたこの 遺跡からは、古墳時代から奈良、平安時代にかけての約 300軒の竪穴式住居跡が発掘されました。そして中からは土師器(はじき)や須恵器(すえき)と呼ばれる土器のほかに、古代人の装飾品であった直径3~5セミリメートルのガラス 小玉を製作するための鋳型の「完形品」(完全な形のもの) が出土したのです(写真参照:直径14センチメートル、厚さ1センチメートル、型穴数161孔)。
実はこの「ガラス小玉鋳型(こだまいがた)」完形品 の出土は日本初であり、しかも破片も含めた出土点数は、 一遺跡の出土数としてはこれまでの最多である23点(大阪府柏原市舟橋遺跡出土)をはるかに上回る110点です。 これは考古学上大きな発見であることに間違いなく、今後、 専門機関でより詳しい分析を行っていただく予定です。
ガラス小玉鋳型は、穴にあらかじめ細い棒を立て、そこにガラス粉を入れて鋳型ごと焼くことで、ガラス粉が溶け、 穴の開いたガラス小玉が出来上がるという仕組みです。 穴には紐を通し、首飾りなどとして使われたようです。 当時ガラス玉の装飾品は、単なるおしゃれというより魔よけや、霊的パワーの源のような意味があったのだと言われております。
本庄市は、マスコットキャラクター「はにぽん」のモデル になった「笑う盾持ち人物埴輪」をはじめ、多くの遺跡や 発掘品を誇っています。今回また「ガラス小玉鋳型」の完形品の発見で、今度は古代のハイテク工場群の存在が確認された、 と言えるのではないでしょうか。この大地にはまだまだ我々の知らないロマンが眠っているようです。
これからの詳しい調査を、みんなでいっしょに楽しみに 待ちましょう。なお、今回発掘された一部資料については、 6月4日(火曜日)から歴史民俗資料館で公開します。どうぞご覧ください。

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