皇室と農林業(平成25年12月1日号)

更新日:2020年10月01日

稲穂が垂れている画像

天皇陛下がその年の新穀を天地の神々に捧げられる11月23日の新嘗祭は、宮中祭祀の中で最も重要な儀式とされています。新嘗祭(にいなめさい)には、全国の都道府県ごとに選ばれた農家から精米と精粟が献納されます。今年埼玉県からは、市内北堀の鯨井氏ご夫妻が精粟5合を献納することになり、10月24日の献納式に、ご夫妻と共に私も宮中の賢所参集所へ参内しました。
献納式終了後、新嘗祭の儀式が行われる「神嘉殿(しんかでん)」を拝観。新嘗祭の日、陛下は御自ら収穫された精米と、また全国から献納された精米と精粟で作られた神饌(しんせん)をお供えし、一夜かけて八百万の神々に収穫の感謝を捧げられるとのことでした。11月下旬の朝晩は寒く、暖をお取りになられず御一人にて祭祀に臨まれる陛下のお身体は大丈夫だろうかと心配になりつつ、国家の安泰と国民の幸せを至心に祈られる天皇のご存在の尊さを強く感じました。
さて、去る11月16日に行われた第37回全国育樹祭で、皇太子殿下は寄居町の金尾山県有林において、54年前に昭和天皇がお手植えされた檜に施肥される「お手入れ」に臨まれました。過去に天皇がお手植えされた樹木を後世に皇太子がお手入れされるというこの行事は、山林を代々にわたって守り育て、活用することの大切さを表しています。
天皇御自らお田植えをなさり樹木をお手植えされ、皇太子御自らお手入れされる。そして、天地の神々に感謝し国家国民の安泰を祈られる。このようなお姿は全国の農林業に携わる人々への大いなるエールであり、また我が国の農林業は子々孫々守り育てるべき国の産業であることを御身をもって示されている、そう思うのです。
献納式の際に陛下より「今年の収穫はどうでしたか」と、また育樹祭の際に殿下より「林業の状況はどうですか」と、それぞれの参列者に御下問(お尋ね)があり、そして「苦労も多いと思いますが頑張ってください」とのお言葉がありました。天皇、そして皇室とは、国民の今を知り、国民を励まし、将来にわたって我が国の安泰を祈られるご存在であることに、改めて深く感じ入った次第です。

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