「県境を超えた絹産業遺産群として」(平成26年6月分)

更新日:2020年10月01日

 みなさんおはようございます。6月2日月曜日、今月の月いちメッセージをお送りします。
 先月のメッセージでは富岡製糸場の世界遺産登録勧告を本庄市として歓迎する旨のお話をしました。今日はその続きで、このひと月の間に進んできたことについてみなさんにお伝えします。
 私は以前、競進社模範蚕室や、旧本庄商業銀行煉瓦倉庫、高窓の里など本庄市の絹産業遺産群、そして深谷市に存在する渋沢栄一、尾高惇忠ゆかりの史跡などを、世界遺産になるであろう群馬県の絹産業遺産群とつなぎ新しい観光ルートの開拓ができないかと、群馬、埼玉にゆかりのある大手企業の会長と相談したことがある、ということを先月の月いちメッセージで申し上げました。この企業とは、伊勢崎市に本社があるサンデン株式会社です。
 会長の牛久保雅美氏は当初からこのプランに大変関心を寄せられ、観光ルートの開発による産業の新たな展開や新規の雇用の創出、さらには単なる史跡めぐりで終わらせずに、日本の近代化の歴史、先人たちの進取の気性とその努力の素晴らしさについて後世の人々が学ぶ、いわば体験学習、人材育成的な意味を持たせるべきと仰っています。私も全く同感です。
 私自身も、現在もわれわれの地域ではごく細々とではありますが養蚕業や織物業などの絹産業は残っており、そういう伝統産業へこの際もっと光を当てることも必要ではないかと考えています。
 このような構想を具体的に進めるため、本市はサンデンの呼びかけに応じ、内閣府で進めている「地域活性化モデルケース」に伊勢崎市や深谷市などと共にエントリーし、名乗りを上げました。
 この「地域活性化モデルケース」とは、政府の進める成長戦略を更に進化させるべく、これまでの成長戦略の施策の成果が実感できていない地方、この言い方は内閣府のホームページにも出ていますのでそのまま申し上げますが、成長戦略の成果が実感できていない地方において、いくつかの分野における新しい地域活性化のモデルケースを募り、全国で約30か所程度を選定するというものです。
 選定されたところに対してすぐに補助金などが出るという内容ではありませんが、地方自治体や企業の地域活性化に向けた独自の取り組みを政府として認定し、今後の各省からの支援などが受けやすくなるという内容であると理解して良いと思います。
 今回、サンデン株式会社は伊勢崎市、本庄市、深谷市、富岡市などに呼びかけて、絹産業遺産群とこれをルーツとする現在の地元企業群を産業観光の資源と位置づけ、広域連携での協働を推進し地域の活性化に貢献するというタイトルを掲げ、エントリーしました。この分野でのエントリー数は24件。最終採択件数は6件しか残らない難関でした。
 1次審査を通り、2次審査として残った10件についてヒヤリングが行われた5月16日、私はサンデンの高橋常務、深谷の小島市長他伊勢崎市や富岡市の方々と共に、内閣府に行き、短い時間でしたが熱弁をふるってきたところです。
 結果は5月29日の関係閣僚会合で決定され、われわれの提案は2番手で選定されました。これまで陰に陽に尽力いただいた関係職員に心から御礼申し上げます。そしてこれからが大変です。国からのヒヤリングや今後の展開をどうするか、まだまだ雲をつかむような状況の中、地域資源の活かし方や地元の効果的なPR、短期的・中長期的な観光戦略についてみんなで取り組まねばなりません。
 考えてみれば本庄市や深谷市は、群馬県の観光ガイドブックにはもちろん載っていませんし、埼玉県の観光ガイドブックにも、県南や秩父地域と比べて扱いはごく小さなものです。しかし県北のわれわれの風土が生み出した偉人や産業などは我が国に大きなインパクトを与えていますし、今ある地域資源も内容は素晴らしいのに、なかなか世間に知られていません。将来の子ども達に胸を張ってバトンタッチし、以って先人の恩に報いるためにも、もっともっとその存在を全国に知ってもらうべき地域、それが本庄市であり埼玉県北である、そう私は確信しています。
 今後、本市として世界遺産とリンクした短期また中長期の、具体的な観光戦略の打ち出しに、ぜひ多くの職員のみなさんのお力添えとご理解を宜しくお願いして、月いちメッセージを終了します。暑くなってきました。みなさんお身体には十分留意して、頑張ってください。

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