新年度の始まりにあたり訓示を行いました(令和8年4月1日)
皆さん、おはようございます。令和8年度が始まりました。新年度にあたり、市長訓示を行います。
1月の仕事始め式において、私が掲げた本年のテーマは「動」、すなわち「動く」の動です。また、「本庄流 経済の好循環 市民のためにもっと稼げるまちへ」。これは昨年12月に、市長6期目に向けたビジョンとして掲げた言葉です。地域経済を何としても活性化させ、その恩恵を市民の暮らしの充実や未来への育みへと循環させる。その決意でおります。
しかしながら、昨今の中東をはじめ国際情勢は緊張をはらみ、先行きに大きな不確実性を抱えています。エネルギーの安定的確保に向け、国にはあらゆる努力が求められており、私たちもまた、地域社会の安全と安心、そして地域経済を守るため、市行政として何ができるかを常に考え、行動していかなければなりません。
変動する時代にあっては、内外の情勢をしっかり見すえながら、市民第一の「不動」の精神を軸に、必要なときに必要な「動き」ができるよう、心してまいりましょう。
それでは年度初めにあたり、市行政の仕事のあり方について、あらためて皆さんと意識を共有したいと思います。
昨今、全国の自治体において、さまざまな事案が報じられています。個別具体は申し上げませんが、行政の対応や関わり方が厳しく問われる場面も少なくありません。そうした状況に触れるたびに、私たちの仕事がいかに重い責任を伴うものであるかを、あらためて感じています。
私たちの仕事は、市民一人ひとりの暮らし、そして時に人生そのものに関わる仕事です。とりわけ困難な状況に直面されている方と向き合うとき、その思いの重さに触れ、どう応えるべきか悩む場面も少なくないと思います。
一方で、私たちは制度に基づいて仕事をしています。個人情報の保護や公平性の確保といった原則は、どのような場面であっても忽(ゆるが)せにすることはできません。そして現実には、「人の思い」と「制度」が、かみ合わない場面が生じます。丁寧に説明を尽くしても、なお理解を得られないこともありますし、その対応が厳しい評価につながることもあります。
精一杯やっていても、誤解されてしまう。そのような場面を、特に経験を積んだ職員の皆さんほど、これまでに幾度も経験されてきたのではないでしょうか。
こうしたとき、私たちは何を拠り所とすべきか。私は、その時々において最善と考える判断を、誠実に積み重ねていくほかないと考えています。結果や評価は後からついてくるものであり、その過程や動機についても様々な受け止め方がなされるのが、公の仕事の現実です。様々な批判があるとしても、やはり仕事に誠実に向き合っていくこと。それは自分にも誠実に向き合うことだと思うのです。自分に誠実に向き合うことは、最終的に自分が強く、そして楽になることだと、私は思います。
先ほど、個人情報という言葉を出しました。行政には、すべてを説明できるわけではないという現実があります。説明すべきことは尽くし、守秘義務は厳守する。この両方を引き受けることが、私たちの責任です。言葉にできることと、できないこと。その境界に立ち続けることの難しさを感じながら、それでもなお努力を、誠実に積み重ねてまいりましょう。
そしてまた、私たちは自分たちが拠って立つ制度やその運用について、疑問を持ってはならないかというと、決してそうではありません。制度は市民のためにあるものです。したがって、そのあり方や運用については、現場における不断の見直しと検証が必要です。
「制度がこうだから仕方がない」「これまでこうしてきたから変えられない」で終わらせるのではなく、どのようにすればより市民に寄り添えるのかを考え、できるだけ工夫を重ねていきたいと思います。一人で抱えきれない場合は、組織として共有し、それでも難しい場合には、市として、さらには県や国へと課題を伝えていく。その積み重ねが、制度をより良いものにしていくことにつながります。
本年掲げた「動」という言葉は、単に速く動くことではありません。流されるままに動くのでもなく、もちろん誤解を恐れて立ち止まるのでもない。考えながら動き、責任を引き受けながら動き続けること、その姿勢そのものを指しているのだと私は考えています。
どれだけ向き合っても、思いとは異なる形で受け止められることがあるかもしれません。それでも、その場から逃げず、一つひとつの判断を自らの責任として引き受け、積み重ねていく。そして、もし間違いがあれば放置せずしっかり正す、放置された間違いでも気付いた人が正す。こういった営みが市民からの信頼、ひいては市民の安心につながるはずです。
職員の皆さんが、それぞれの現場で悩みながらも真摯に、誠実に仕事に向き合っていることを、私は日々実感しています。その積み重ねが、本庄市の力になっています。
新年度も、それぞれの持ち場において、責任ある仕事を積み重ねていきましょう。
以上で、市長訓示といたします。



更新日:2026年04月02日