本庄駅周辺〈地域の活力をものづくりのエネルギーに〉

更新日:2025年10月01日

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今井 俊之さん

 

上里町出身、本庄市内の高校卒業後、都内のファッション専門学校を経て友人とブランドを立ち上げる。

その後独立し、本庄市内にある国登録有形文化財である「旧本庄仲町郵便局」内にヘッドウェアブランド「W@nderFabric」工房兼ショップを設ける。

 

失われゆく着物の魅力を後世へ

 

本庄市内の高校を卒業後、東京都内のファッション専門学校へ進学した今井さん。卒業後は友人とともにブランドを立ち上げ、原宿への店舗出店や企業からの依頼等も受けながら10年ほど活動を続けました。

 

そうした日々を過ごす中で、今井さんの心に残っていたのが「着物」。

 

実は学生時代に親戚から譲り受けた大量の着物を作品に活かそうと試みたが、洋服に合わせると違和感が強く、使いきれずに処分してしまった経験があった今井さん。その"心残り"がずっと頭にあった中で、ある日「帽子」と組み合わせたところ新しい可能性を感じたそう。

 

そのインスピレーションと失われゆく着物や絹などを形に残していくという思いが原動力となり、日本伝統の着物や伝統織物などで帽子を作るヘッドウェアブランド「W@nderFabric」を立ち上げ、今日までの活動につながっています。

 

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義理の母の嫁入り道具として残っていたという「着物」で作った帽子を手に取る今井さん。

現工房との"運命的な出会い"

 

現工房は、かつての郵便局で国の登録有形文化財にも指定されている「旧本庄仲町郵便局」。事業拡大とともに使っていた工房が手狭になり新たな工房を探していたところ、知人からの紹介でこの「旧仲町郵便局」を見学することになったそう。

 

玄関に足を踏み入れた瞬間、「ここでやりたい」と決めたという今井さん。

 

実はこの建物を建築・管理している"諸井家"は、もとは絹や織物等で財を成した豪商。日本古来の絹や織物の良さを「帽子」という形に込めて発信する自身の活動との共通点に今井さんは運命的なものを感じたと言います。

 

「この空間そのものが、自分の作る作品の文脈になる。これからも自らの作品とあわせて、諸井家の人々が残したこの建物の魅力、歴史の深さ、そして文化を伝えていきたいです」。

 

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「地域交流」と「ものづくり」の重なり合いから生まれるエネルギー

 

今井さんが工房を構える「本庄駅周辺」は、地域の祭りや行事が日常生活と深く結びついています。

 

工房を開いたことで祭りの活動に誘われた今井さんは、今では保存会にも加わり、お子さんも自ら太鼓を叩くようになったといいます。制作の傍ら、地域行事に積極的に顔を出すことでそこで暮らす人たちとのつながりを作ることができたという今井さんは「地域の皆さんに温かく迎えられたからこそ、このお店も続けられている」と語ります。

 

特に祭りの熱気や一体感は「普段の静かな制作の日々とは対照的で、自身に大きなエネルギーを与えてくれる」と話す今井さん。こうして地域との交流、そしてものづくりへの熱意が互いに重なり合い、今井さんの創作活動を支え続けています。

 

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