つなぐ (平成29年2月1日号)
先日、本庄東公民館の利用者団体に「市長との対話集会」を開いていただきました。その中である方から「毎朝ボランティアで総合公園の清掃をされているご夫妻がいます。頭の下がる思いです」というお話をうかがうことができました。また、このボランティアの方のお話は、他の方々からもいただきました。
殺伐とした話題の多い現代社会ですが、こういう明るいお話をうかがうと心が救われる思いがいたします。このご夫妻のように、人に見られていようがいまいが小さな善行を積んでいる方々は本庄市にも大勢おられると思います。そのような陰徳はどこかで必ず誰かの心を動かしさらなる善行の輪を広げ、やがて社会を明るくしてくれるに違いない、そう信じてやみません。
私は毎年市役所の仕事始め式において、今年私が念頭に置こうと考えた言葉を掲げております。昨年は「備える」でした。今年は「つなぐ」を掲げました。
社会は急速に高齢化する一方、人と人との関係は希薄になっています。ひきこもりなど、若者の中にも社会から孤立している人が多い時代です。とはいえ、昔のような良くも悪くも人間関係が濃密な地域社会の復活は無理でしょうし、今を生きる人々の多くも、昔と同じような社会の復活を望んでいるかと言えば、そうではないでしょう。
大切なことは、人は決して一人では生きられないのだから、今の我々の生活にあった無理のない形で、地域社会における人と人との新たなつながりを、自分たちが努力して創り上げていくことだと思います。
見ず知らずの人同士でも「善き行い」には心を寄せ、共感しあえるものです。まさに地域社会における人と人とをつなぐのは、前述したような方々の行いではないでしょうか。
今を生きる私たちは、将来を生きる子孫たちから、今という時間を「預かっている」と言われます。小さくても良いですから、善き行いによって今を生きる我々をつなぐ、そして将来の子どもたちのために、より良き世の中をつないで行きたいものですね。
更新日:2020年10月01日